自己紹介とうつ病彼氏との出会い

 

こんにちは、私は東京で美容師をしています。

 

私には姉と妹がいます。私は三姉妹の真ん中です。

父とは母は5年ほど前に離婚しましたが、父が家を出て行ったのは私が10歳の時です。それからは母と子3人で暮らしていました。

 

母は貧しいながら、夜中も仕事をして私たちを育ててくれました。

 

母には、絶対に奨学金を借りて進学はさせないという強い意志がありました。借金と同じだから、私たちが将来働きながら奨学金を返し続けるということが無いように、という母の優しさです。

 

そのため、貧しい生活ですが母は少しでも学費を稼ぐために必死に汗水垂らして働いてくれました。

 

女性には過酷な労働環境と強いストレスにより、体を壊して倒れたこともありました。

 

父からの仕送りはとても少なく、とてもそれだけでは4人の生活を支えることはできませんでした。

 

 

 

現在、姉はスペインでピアニストをしています。

音大の学費はとても高く、父の少ない仕送りと、母が稼いでくれたお金でオランダの大学院も出ました。

そして、スペイン人のピアニストと結婚し、今はマドリードを拠点に大学で音楽を教えながら演奏活動をしています。

 

 

私は都内の美容室で美容師をしています。

私が出た専門学校も学費がとても高かったので、やはり母にはたくさんの苦労をかけました。

新卒で入社した会社で現在まで8年勤めています。

 

 

妹は高校卒業後、調理師学校を出て就職した半年後、農家に嫁ぎました。現在はお腹に赤ちゃんもいます。

調理師学校も、美容学校同様学費は割と高めです。

 

3人の娘を女手ひとつで育てるのはそれはそれは大変だったと思います。母には頭が上がりません。

 

 

父は九州で介護車の仕事をしていましたが、事情があり、私が18か19の時にリストラされます。

 

父は横浜の私たちの元に戻り、新たな仕事を探すことを望みましたが母は許しませんでした。

 

田舎では仕事は見つからないという父に、母は介護でもやれば?と説得し、現在は介護士として働く傍ら、車の仕事もちょこちょこしてるみたいです。

 

 

ざっと私の生い立ちを話しましたが、ここからが本題です。

 

彼との出会いは、昨年の8月ごろ。

姉から連絡がきました。

「○○って前話したハーフの男覚えてる?あいつ東京に引っ越して美容室探してるらしいから切ってあげてよ、LINE教えていい?」

という内容。

「いいよ」

 

ということで連絡を取りはじめました。

 

そして髪切った後に食事に行ったり、彼の友達も交えて仲良くなり、自然な流れで昨年の9月に付き合い始めました。

 

 

彼は、付き合った当初から、夜はあんまり眠れないといっていました。

 

自律神経が乱れていると、彼自身が言っていたのに対し、私は知識不足でそれがうつ病の前兆であることに気づくことができませんでした。

 

しかし、付き合いたてで1番楽しい時。

頻繁に彼のお家に泊まりに行って、彼の家から出勤する生活が続きました。

一緒にいるだけで楽しくて、私とは全く違う環境で育ち、生活をしてきた彼の話を聞くのが楽しくて、毎日があっという間に過ぎていきました。

 

彼は、大学で哲学に興味を持ち、スペインの大学院で社会哲学をしてました。

彼の話はとても面白く、興味深いものばかりで、もともと宇宙が大好きで良く宇宙の動画を見ていた私にとってはかなりワクワクする話ばかりでした。

宇宙のことを考えると、時間や存在、意識、死とは…などを考えることが多くあるので、全く哲学をよくわかっていない私でも分かるような噛み砕いて説明してくれました。

 

そう言う意味でも、性格や興味を持つものがちょっと変わっている私と、だいぶ変わっている彼との相性は良かったのだと思います。

 

しかし、秋から冬に季節が変わるころ、次第に彼の病状は悪化していました。

 

明け方、急いでトイレに駆け込んで嘔吐する朝が何度もありました。

 

体が重く、眩暈がする。頭痛がする。食欲が湧かない。

とても強い倦怠感。

そしてまた、眠れない夜。

 

ぐるぐると縦にまわる世界。

耳元ではずっと大きな耳鳴りが続く。

 

彼も、これはおかしいと会社を定時で上がり、自ら心療内科を受診しました。

 

結果はうつ状態

 

この頃、ちょうど彼がずっと憧れていた車を購入した時期で、納車の時期とちょうど被ります。

 

彼は新しい相棒を手に入れて、体はとてもきつかったと思いますが、車のことになると少年のように目を輝かせて話したり、運転したりしていました。

 

病院の後、私を愛車で職場まで迎えに来てくれて、その日受診したことや結果を報告してくれました。

 

 

恥ずかしながら、私はうつ病うつ状態の違いもあまりわかっていませんでした。

いま思うと、心ない言葉をかけてしまったのではないか…と、その時を思い返してごめんね、と言う気持ちになります。

 

そこから、彼の闘病生活は始まります。